2040年3月21日水曜日

はじめに

 兵法タイ捨流”(ひょうほう たいしゃりゅう)とは戦国時代から江戸時代初期の乱世の世を生き抜いた剣豪”丸目蔵人”(まるめ くらんど)が興した剣術の流派です。

 ”丸目蔵人”は”新陰流”(しんかげりゅう)を興した”上泉伊勢守信綱”(かみいずみ いせのかみ のぶつな)に師事し、”上泉伊勢守信綱”が室町幕府の剣豪将軍とも呼ばれた足利義輝の前で兵法を上覧したときには打太刀を務めました。その後、”新陰流”から独自の工夫により”兵法タイ捨流”を興し、九州一帯を中心に広まった”兵法タイ捨流”の門人には"立花宗茂”や”鍋島直茂”といった戦国武将の名もありました。

また「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」の一節で有名な葉隠聞書の”山本常朝”も兵法タイ捨流の門人であったと伝えられております。

 兵法タイ捨流の「タイ」という言葉には「大・体・待・対・太」など複数の意味合いが含まれており、「」は”丸目蔵人”の師である”上泉伊勢守信綱”の死後「偉大な師を失った」という意味を示す。そのほか「」とすれば体を捨てるにとどまり、「」とすれば待つを捨てるにとどまり、「」とすれば対峙を捨てるにとどまり、「」とすれば自性に至る。更にこれらの言葉にとらわれない自在の兵法という意味もあるとされています。


 当”兵法タイ捨流 広島稽古会”は熊本県八代市の”兵法タイ捨流 龍泉館”の門人のうち広島在住の門下生による自主稽古の会で目下のところ毎週日曜日を中心に稽古を行っています。

2020年9月27日日曜日

2020年9月24日 自主稽古

2020年9月24日(木)は久々に広島県立体育館 武道場で自主稽古を行いました。

このところ多忙で前々回のオンライン稽古に直前で参加出来なくなった弟弟子F氏と一緒に「オンライン稽古の振り返り」をするのが今回のテーマです。

先ずは歩行稽古
・木剣を構えて前進
・木剣を構えて後退


素振りの稽古。
・素振り(右・左)

前々回のオンライン稽古の中で肝であったのは素振りで、それも只の素振りではなくほぼ完全にブレが生じない素振りとその為の身体操作でした。それを弟弟子F氏に全力で伝えるのが今回のテーマ「オンライン稽古の振り返り」です。

まずは姿見を使いながら普段の素振りをしてブレ具合を確認して貰います。そしてブレず楽に刀を振り上げ斬り下ろせる身体操作を伝え、姿見で見ながらある程度の形になるまでひたすら反復稽古をして貰いました。

とは言え身体操作が理解出来ればびっくりするくらい簡単に出来るんですけどね。ただ普段は考えたこともないし使った事もない操作なので意識せずとも出るくらいに習慣化されるまでは何日も掛けて意識的に反復動作する必要がありますが、それが稽古という事でもあります。

次に打ち合いの稽古。
・打ち合い稽古(右)
・打ち合い稽古(左)


ある程度は素振りで身体操作に慣れてきたところで、実際に打ち合わせると如何様なものかを体験して貰う為にも打ち合い稽古を行います。
ここでも身体操作に慣れる事が要肝ですのでゆっくり丁寧に行ってみたのですが、以前はどこともなく力が入って結果的にそれがブレーキとなり相手の動きに遅れがちだった弟弟子F氏の動きが嘘の様に力が抜け滑らかになっています。弟弟子F氏自身も驚きと感動があった様で、実際、身体の操作ひとつでここまで変わると奥深すぎて笑ってしまうくらいで本当に古流は面白いです!

大太刀の型と小太刀の型の稽古。
・作法から始め大太刀の型13本及び終結の型(打太刀)
・小太刀の型1本(打太刀)
・作法から始め大太刀の型13本及び終結の型(仕太刀)
・小太刀の型1本(仕太刀)


大太刀の型も身体操作に慣れ習熟するべくゆっくり丁寧に行います。大太刀の型のなかで身体操作をやればやるほど軽く楽に動け、速さや鋭さが増す様な感覚があります。
また型の前後の礼法としてしか考えてなかった動きが実はこの身体操作を練るための肝としてわざわざ入れられた重要な動作だったのではないかと気付かされた稽古でもありました。


今回の身体操作は実はこれまでも習っとったんじゃけど今ひとつ理解出来とらんで自分の中で理合が噛み合ってなかったんじゃろうね。
それがオンライン稽古で統合されて完全に噛み合った気がするんじゃけど、その結果が地味に凄すぎて自分の中で今、古流の面白ヤバさがぶち熱いんよ!

広島稽古会 拝

2020年9月20日日曜日

2020年9月12日 オンライン稽古 & 2020年9月13日 定例稽古

2020年9月12日(土)先月からほぼ間も無い気もしますが今月のオンライン稽古日です。

そして今回は東京と韓国と合同でオンライン稽古だったのですが、実は東京の稽古会の方々とは今回が初めての合同稽古だったのです。オンラインとは言え顔合わせが叶い感激でありました!そして東京に転勤された兄弟子とも久々に一緒に稽古が出来てとても楽しかったです!

今回のオンライン稽古では質疑応答が主だったのですが東京および韓国との合同なだけに参加人数も多く、自分では考えたことも無い質問が次々と出て来て大変参考になる稽古でした。

自分は手の内についてもやもやと悩んでいたモノがあったのですが、明快な答えを得られてスッキリしました。疑問や気付きをシェアしながら学ぶというは独りでは出来ない稽古であり仲間と共に学ぶというのは素晴らしい事ですね。これもまた活人剣ではないでしょうか。


前夜の興奮も冷めやらぬ2020年09月13日(日)は市内某スポーツセンターで定例稽古です。

前夜のオンライン稽古では色々な質問が出ていましたが、中でも印象に残っていた「」が今回のテーマです。

素振りの稽古。
・素振り(右・左)

さて「」と言うのは身体の使い方で”筋力に頼らず”、”手足で動かず”という理合に通じるものなのですが、要は筋肉をガチガチに緊張させて使うものではないという事ですね。それが基本である素振りで出来ていなければその先である型稽古でも出来ません。
今一度「」が出来ているか?もっと「」の使い方を出来るのではないか?を確認をしながら素振りを行いました。

次に打ち合いの稽古。
・打ち合い稽古(右)
・打ち合い稽古(左)


素振りでの「」を確認したら次は実際に木剣を打ち合わせながらの「」が出来ているか確認です。ある程度打ち合ったら「」と「」を組み合わせて緩急強弱を水の流れの如く加減しながら打ち合ってみます。

大太刀の型と小太刀の型の稽古。
・作法から始め大太刀の型13本及び終結の型(打太刀)
・小太刀の型4本(打太刀)
・作法から始め大太刀の型13本及び終結の型(仕太刀)
・小太刀の型4本(仕太刀)


素振りと打ち合いで練った「」の身体操作の鍛錬を型稽古で仕上げます。
打ち合いでの「」と「」を組み合わせが基本の動作の一様式とするならば型の中での「」と「」の動作は実に様々な様式が出てきます。型稽古というのはそういう事なんでしょうね。実戦が型の通りになる事は無いでしょうが、実戦に於ける様式は型に集約されているのです。無論その様式はその時々の必要に応じて最適な様式が適用されるのであって縛られることなく従えば良いのです。その瞬間に必要であれば刹那での様式からの発展もあるでしょう。
と、そんな事を思いながら型稽古をするのも面白いものです。

最後に居合いの稽古。
・居合の基本操作
・居合いの礼法
・居合いの一本目から順次


居合も根本は「」と「」である筈という事でいつもよりゆっくり丁寧に「」と「」を意識して稽古してみました。
居合というといたずらに急ぎがちになるのですがゆっくりと丁寧にやる事で、いくら急いだところで根本が出来ていなければ軸がブレブレで動きとしてガタガタである事を痛感させられます。
もっともっと鍛錬に時間を掛けて絶対的な揺るがなさが出来てから速さを求めと駄目ぽいですね。


諸行無常なれど全ては巡り巡り循環端無きが如し。
今年はCOVID-19影響もあり大雪でジッと家籠りが如くの年で終わりそうじゃけど、大雪の下では芽吹きの季節に向けて着々と自然の理が巡っとるんよね。今はそういう時期なんじゃろういう事で芽吹きの季節に向けて着実に地を慣らし耕す年にして行きたいと思うとります。


【追伸】
2020年07月豪雨災害で熊本県人吉市でも多大な被害がありました。兵法タイ捨流とも縁が深く十五代宗家の襲名の際や先の昇傳審査の際などにもお世話になった国宝青井阿蘇神社様や人吉旅館様のクラウドファンディングは当初目標を超えての達成で無事に終了しました。
皆様の熱いご支援まことにありがとうございました。

国宝 青井阿蘇神社 水没奉納刀 1000年先まで遺すプロジェクト
https://camp-fire.jp/projects/312205/activities#main

兵法タイ捨流 広島稽古会 拝